このたび当院では、2026年6月より耳鼻咽喉科の医師が新たに加わることとなりました。
これに伴い、ご自宅で耳鼻科領域の専門的な検査・処置を行える体制づくりを進めています。
在宅医療の現場では、「飲み込みが悪くなってきた」「むせ込みが増えた」「聞こえが悪くなったが受診が難しい」といったご相談をいただく機会が少なくありません。
一方で、通院負担や移動手段の問題から、必要な評価や調整につながりにくいケースも多くあります。
当院では、そうした課題に対し、“自宅や施設でも専門的な評価を受けられる環境”を整えていきたいと考えています。
在宅での「嚥下内視鏡検査(VE)」導入を準備中です
現在当院では、嚥下機能の評価を行う「嚥下内視鏡検査(VE:Videoendoscopic Examination of Swallowing)」を、ご自宅で実施できるよう機器・設備の整備を進めています。
嚥下内視鏡検査とは、鼻から細いファイバースコープ(内視鏡)を挿入し、のどの動きや食べ物・飲み物を飲み込む様子を直接観察する検査です。
「むせ込みが増えた」
「食事に時間がかかるようになった」
「誤嚥性肺炎を繰り返している」
「食形態の調整が適切か確認したい」
そのようなケースにおいて、実際の嚥下機能を視覚的に評価できるため、より具体的な食事形態の提案やリハビリ方針の検討につなげることができます。
病院受診が難しい患者様でも、ご自宅や施設内で評価を受けられることは、患者様・ご家族・施設スタッフの皆様にとって大きな安心につながると考えています。

往診車内にも洗浄設備を整備予定です
在宅で内視鏡機器を安全に運用するためには、検査機器の適切な洗浄・衛生管理が欠かせません。
当院では現在、使用後のファイバースコープを適切に洗浄・管理できるよう、往診車内への洗浄設備導入も進めています。
訪問先ごとに衛生管理を徹底しながら、継続的かつ迅速に対応できる体制づくりを行っています。

※往診車内の洗浄設備設置写真
補聴器調整もご自宅で対応可能となる予定です
また、耳の聞こえに不安を抱える患者様に向けて、ご自宅での補聴器調整にも対応できるよう準備を進めています。
患者様の中には、
- 通院そのものが難しい
- 補聴器を作ったものの合っていない
- 聞こえづらさがあっても受診できていない
といった課題を抱えている方も少なくありません。
聞こえの低下は、コミュニケーションの減少や生活の質(QOL)の低下につながるだけでなく、認知機能や生活意欲にも影響を及ぼすことがあります。
在宅の場でも専門的なサポートを受けられる環境を整えることで、患者様の日常生活をより支えられる体制を目指しています。
地域の医療・介護関係者の皆様へ
当院では、患者様が住み慣れた場所で安心して生活を続けられるよう、多職種・地域連携を大切にしながら診療を行っています。
嚥下評価が必要な患者様や、聞こえに関する課題を抱えている患者様について、「在宅で対応できないだろうか」とお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
今後も、在宅医療の現場で必要とされる医療を届けられるよう、体制整備を進めてまいります。